いとしこいし 漫才の世界

いとしこいし 漫才の世界 この本は,amazonアソシエイトに参加した時にこの欄で試験的に紹介してみました.で,この二日間の通勤電車の中で楽しんでおりました.帯には米朝師が「このいとこいさんの漫才集は,読んでも面白いものになっていると思います」と.作品としては15本が掲載され,編者の解説や関係者の証言も含め,一組の漫才師についてのこれだけまとまった本というのは,あまり見あたらないと思います.奥付を見てみると,初版が2004年9月16日,11月25日には4刷が出ています.


 いとこいの漫才として思い出すのは,まず第一に『交通巡査』.「不審者」のいとしに,こいしの巡査が尋問するもの.こいしさんの述懐にもありますが,落語の『代書屋』からヒントを得て作られたもの.あるいは,「ぽんぽん講談』.いとしが「曾我兄弟」の仇討ちを語り,手の合図にあわせてこいしが「ぽんぽん」と張り扇の音を入れていく.いやぁ,懐かしいですねぇ.
 私など,生の舞台を見たわけではありませんが,テレビを通して見続けてきた漫才だけに,この二つのネタは何度聞いたことか.確かに,「読む漫才」としても大変面白い.編者の解説を含めて読めば,生の漫才を見ていなくても,十分楽しめる読み物になっていると思います.できれば,声に出して読み上げてほしいくらいです.
 ちなみに,中に登場する森光子さんの「ダイラケ・いとこい比較論」はなかなか興味深い分析です.40代以上の関西人には必見ですな.
 amazonのブックレビューを見てびっくり!きちんとしたレビューを書いている人が二人いたが,いずれも関東の方でした.よって,上の「関西人には必見」という部分は,「日本国民必見」と訂正させて頂きます.

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