第6回 桂雀々 独演会

●第6回 桂雀々 独演会(2006年6月23日,京都府立文化芸術会館)
 金曜日は2限・3限が授業です.4限は,「なにわのスローライフ」の会場である本館・9f大会議室でリハーサルと打ち合わせ.作業中の皆さんと別れ,途中から理事長と約束のミーティング.終了後はお先に失礼して,雀々さんの独演会へ.会場は京都府立文化芸術会館,いやぁ,よく入っていましたねぇ.しっかりと補助席も発売されていました.終了後は,少し遅れて参加となったツレアイと一緒にタクシーで「蔵倉(東洞院七条)」へ.少し遅めの夕飯,美味しくいただいて帰宅しました.

 今日の番組は次の通り.

時うどん 桂よね吉
故・吉朝氏のお弟子さん,初めて聴きましたが,しっかりしてはりますねぇ.師匠譲りというのか,端整な顔立ちと,きっちりとした所作.実力者ですね.ただ,この時期になぜ「時うどん」なのか,彼の責任ではなく,雀々さんの構成力が発揮されてもいいように思えます.しかし充分満足の14分
田楽喰い 桂雀々
面白いですし,お客さんも「雀々ワールド」の住人という雰囲気の方が多く,大変笑いの多い高座,やはり,ここらは人徳ですね.ただ,独演会の一席目にしては,はっきり言って飛ばしすぎ!聴いてる側が疲れてくるのではと,心配するほどの熱の入れようでした.多分,マクラが想定以上に受けてしまったのでしょうね.33分
まめだ 桂米二
さすがにキャリアがありますから,この手の会の趣旨と自分の役割を充分わきまえた,好感度の高い高座でした,目立たず短くさらっと.いい噺ですね,故・三田純市さんの作品です.19分
くっしゃみ講釈 桂雀々
構成から言えば,ここで存分に聴かせたいところ.しかし,「雀々ワールド」と言われるようなオリジナルの世界を持っていると思われる彼にしてこれかと,考えさせられたほど,枝雀さんの影響力は凄いのですね.決して悪い出来ではないのですが,もう少し勉強会でじっくりと仕上げてから独演会に臨むべきではと,そんな余計なことを考えてしまいました.枝雀とは別のキャラクターとして爆笑王となれる逸材,よりご自分を可愛がってほしいものです.33分
中入り
雨乞い源兵衛 桂雀々
近年の独演会の構成はほぼ今日のように,3席を演じるものが多いです.中入り前に力を入れる大ネタを,トリには少し力を抜いて軽めのネタをあっさりと.小佐田定雄作の新作落語,枝雀さんの後を受けついでしっかりと定着したネタです.つらいのは,あまりに強烈な枝雀流「進化論」という特異なマクラの印象が強いので,人間より天気の方が古いという言い回しに,少しぎこちないというか,気を緩めると師匠の表現に引きずられてしまうという,辛さをにじませた高座でした.22分

 枝雀さんが亡くなって,米朝さんが80を越えて,吉兆さんまで先に行ってしまった今日,いささか覇気の薄れた南光さんに物足りなさを感じる(かも知れない)上方落語ファンにとって,雀々さんは希望の星なのです.ぜひとも,さらなる精進をお願いしたいと思います.

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