2003-09-08

落語の愉しみ これも盆休みに読むつもりで揃えていたのですが,日曜日の夜からずーっと引き込まれてしまいました,岩波書店の『落語の世界』(全3巻).その第1巻の「落語の楽しみ」の冒頭に来ているのが,「桂米朝師匠に聞く」,編者三人が米朝へのインタビューを行っているのですが,それが巻頭に来ています.考えてみれば,「文化功労者」なのですから当たり前かも知れません.私が高校時代に落語研究会に入り,当時長兄が買い揃えてくれた三一書房から出た落語全集は,確か全8巻で,そのうちの1巻が上方落語に割かれていました.その程度の社会的認知度だったのですね.それが,30年後には,落語の発祥が京・大坂・江戸の三都でほぼ同時期に起こったこと,それ以降の東西交流史なども含めて,日本文化全体を鳥瞰するがごとき姿勢で落語史を取り上げて編集されていることに,時代を感じますね.あと,米朝以外に登場する噺家インタビューは,柳家小三治・桂文珍・立川志の輔の三名,それぞれ年代と個性がよく分かって面白い.

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