京都・らくご博物館【秋】〜夜長の会〜

●京都・らくご博物館【秋】〜夜長の会〜(2005年10月21日,京都国立博物館)
 京都国立博物館の催し,ツレアイと二人で行ってきました.今夜は高台寺のライトアップも始まり,博物館でも閲覧時間を延長し,京都は秋の観光シーズンに入っています.本日の落語会は,病後の吉朝さんの出演とあって是非とも見たかったのです.結論としては,吉朝さんもすっかり回復し,雀三郎さんもいい出来で見応えのある一夜となりました.

 一番手は桂雀五郎さん(雀三郎門下)の「手水廻し」.素直な語り口で無難な出来,12分.二番手は,桂しん吉(吉朝門下)の「みかん屋」,まずまずの18分.三番手はこの日のお目当ての吉朝さんの登場,会場の拍手も一段と高くなりました.本人は「体重が戻りまへん」とのこと,しかし「風邪うどん」をたっぷりと28分.体調と季節に合わせた噺で,描写の緻密さはさすが.十分満足できる高座でした.
 中入り後は桂文我さんの「佐々木裁き」.この人の安定感はさすがです,21分.トリは桂雀三郎さんの「くっしゃみ講釈」.マクラのところで,「東の旅の発端」を「タタキ」を入れてやってくれたのは大サービス.上方落語の前座の修行の一環で,張扇と小拍子で見台をたたきながら,声の調子を上げ間をとる練習をします.今は知りませんが,米朝一門は昔ながらのこの稽古法をちゃんとやっておられました.ネタに入ってからものぞきからくりや講談の場面もたっぷりと演じきり,私が見た彼の高座の中でも最高の出来かもしれません.28分.
 終了後に歩く夜の博物館はいい雰囲気なのですが,さすがに寒かったですね.タクシーで自宅に戻り,遅い夕飯となりました.ちなみに,次回のらくご博物館は1月20日(金)です.センター試験の前夜,控えた方がええやろね.

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