米朝一門会

 サンケイホールが使用できないため,ヒルトンホテルに場所を移しての一門会.座席1000席以上,当日の立ち見も出ての大入り.しかし,私にとっては寂しい会でした.これで5000円は高い!

桂まん我「寄り合い酒」(17分)
文我さんのお弟子さんですから,米朝さんからすればひ孫弟子.しかし,羽織を着ての登場には少し驚きました.関西では身分としての前座はありませんが,制度としての前座はあるはず.とすれば,最初に登場する噺家さんが羽織を着ていることに少し驚かされたということです.正月だけのことなのか,それとも・・・,不勉強で判りません.
桂すずめ「桃太郎」(14分)
三林京子さんです.それだけのことです.
桂雀松「替わり目」(20分)
独特の味があって,酔っぱらいの男が可愛くて好きですね.時間の都合で女房に独り言を聞かれたところで下げました.
桂米朝「厄払い」(19分)
もう少しマクラを聞きたいところでしたが,これ以上無理は言えないでしょうね.少し飛んだところもありましたが,いい出来でした.
中入
桂ざこば「肝つぶし」(24分)
噺の出来はともかく,正月公演に対する意識なんて,考えないのでしょうか?
桂南光「花筏」(31分)
手慣れたネタではありますが,他の選択肢はなかったのでしょうか?

 つまり,1月3日の正月公演であるにもかかわらず,国宝の演目以外には何の企画も配慮もなく,非常に寂しさを感じたのです.年越し,正月,初春を寿ぐ内容に関連するものなどいくらでもあるはず.ホテルのイベントスペースというらしくない場所であるが故に,演目や企画に正月らしい華やぎが欲しかったなぁ.事務所の企画力のなさ(もしくはやる気のなさ),一門のリーダシップの不在など,勝手な憶測をしてしまって,帰りの電車の中で一人で腹を立てていました.

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