第283回市民寄席へ行ってきました

 12月9日(土),そこそこ雨が降っていましたが,さほど冷え込みはありません.自転車で濡れて帰ってきたツレアイの着替えを待って,京都芸術センターへ.今年最後の市民寄席へ行ってきました.18時30分開場のところへ,10分遅れで到着.まだまだ余裕はありましたが,開演間際にはほぼ満席.前売りで1500円,4席2時間弱で中入りなし.京都会館を会場としていた以前の番組からすると,当初は物足りない気もしましたが,会場のかなりを占める年配の方にとっては,費用の面でも体力の面でも,丁度いい具合ではないでしょうか.実際,窮屈な椅子で辛い思いをする会場に比べて,本当にゆったりと話を聞くことが出来ます.今回もそれぞれに個性ある高座で,誠に結構な夜でした.

林家染左「みかん屋」
生年が1971年で入門が1996年,染丸門下でちょうど10年ですね.器用なタイプではありませんから,まだまだ借りてきたようなしゃべり方.しかし,このようなタイプの方がちゃんと話が吸収できるのかも知れません.ネタは,素人がある長屋へ出かけてみかんを売る話.前座が短くやる場合が多いのですが,サゲは見え見えなので最後までやる場合には早めに客を掴んでおかないと苦しくなります.今夜の会場は誠にいい客でした.18分
桂 団朝「風呂敷」
米朝への入門が1987年4月ですから,20年目.さすがにこれくらいのキャリアにになると,自分の語り口を持っています.京都出身ではじめての市民寄席出演ということで,マクラでは地元ネタを用いて大受け.噺はポピュラーなものですが,個性と相まっていい出来,大いに笑えました.25分
桂 枝光「ねずみ」
文枝門下,78年の入門で,96年に前名の「小つぶ」から「二代目枝光」を襲名とのこと.駆け出しの頃にテレビで見た程度で,噺を聞くのははじめてです.ベビーフェイスが歳をとると損をするという典型で,白木みのるの甥っ子みたいな顔.文珍の客あしらいをパクッたところに嫌みを感じましたが,よく受けていました.噺は「左甚五郎」をあつかったものですが,舞台は仙台.ところが,いきなり大阪弁の子供が登場するので,私などはどうしても白けてしまいます.講談ならともかく,落語の場合には時代と場所の限定というのは,ちと厳しいものがありますね.32分
笑福亭松喬「尻餅」
私が出かける落語会は,その大半が米朝・枝雀一門のもの,たまにこのように「どこから見ても笑福亭」という存在に出会うとほっとしますね.高校の落研のころ,前名の「鶴三」時代に,先輩の呂鶴さんと一緒に何度か来ていただきました.もっとも好きな噺家さんの一人ですが,いまや笑福亭の噺を受け継ぐ第一人者です.「尻餅」はこの季節ならではのネタ,季節感や,軽いけれども共感を呼ぶエロティックな表現など,演者のセンスと力が問われる難しい噺でもあります.マクラでも触れられていましたが,餅つきにおける石臼の優位性を実体験で語れるというのは強いですね.充分満足の26分.

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