●京都・らくご博物館【春】(2005年4月22日,京都国立博物館)
22日(金),京都国立博物館で「花見寄席」が開催されました.この企画は米朝事務所の協力で,昨年から始まったもの.博物館も何かと「集客」に苦労されているようですね.会場は,博物館内の「講堂」.約200名の会場は補助席も出てほぼ満員.マイクを使用しない会場は,落語の寄席としてはいい大きさ.私は最前列の左側だったのですが,急ごしらえの舞台の袖で,鳴り物の打ち合わせをする下座の話し声が聞こえたりするのもご愛敬.また,演目を発表しないのも,本来の寄席のあり方.マクラを聴きながら,「何に持っていくんやろ?」と考えるのはなかなか楽しい.
・桂吉坊「商売根問」(15分)
闘病中の吉朝さんのお弟子さん.非常にきちんとした稽古を積んでいらっしゃるようで,若いながらも堂々としたしゃべり.
・桂こごろう「動物園」(27分)
南光さんのお弟子さん.枝雀流の舞台を広く使う演出.ただし,マクラで調子に乗りすぎて,おそらく持ち時間オーバーかと.
・桂小米「上方見物」(21分)
小米さん(前名すずめ)も,随分と古くなりましたね.事務所の写真などは若い頃の端正な男前の写真がいまだに使われていますが,久しぶりに生で見ると,さすがに年相応ですね.このネタは,以前いつ聴いたかなと,思い出せないほど久しぶり.田舎ものの二人連れが大阪を見物して回る噺ですが,やりようによっては,田舎を馬鹿にしたようないやな味が出ることも.小米さんは,ご自身が鳥取県の出身と言うことで,自分のことをマクラで仕込んでからすっと入られました.
・桂米左「蛸芝居」(25分)
本来はむ雀さんの出番でしたが,先月病気で倒れられたので,代演.ご自身も「歌舞伎」が趣味とおっしゃるだけあって,芝居の雰囲気を上手く出しての好演.ただし,マクラでこごろうさんとかぶる部分があったのは,遅れてきたのかネタを繰っていて聴いていなかったのか,ちとお粗末.
・桂南光「花見の仇討ち」(30分)
いつもながら,京都の会でよく使う「ユーミン」のネタで笑いをとり,花見の雰囲気を作ってから本題へ.やはり,安心して聴けます.
終了後,暗くなった博物館の庭園を抜けて七条通へ.夜の博物館も,なかなかええもんですな.バスに乗って烏丸まで行き,先日と同じ「蔵倉」で遅い夕飯.焼きタケノコ・グジの酒蒸し・里芋と蓮根の天麩羅,少し寒かったのでビールの後は熱燗.ごちそうさま.
京都・らくご博物館【春】
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