●第一回 桂吉弥独演会(2006年7月25日,アバンティホール)
昼食を済ませてからの出勤,国外逃亡中の学科長の代理で,書類にハンコをいくつか.夕方からは施設委員会.終わると同時に職場を飛び出してタクシーで山田駅.烏丸から地下鉄に乗り換えて,アバンティホールへ着いたのが18時15分.一足先に到着したツレアイと合流して,桂吉弥独演会,最初から楽しむことが出来ました.
今日の演目は次の通り.
- 宿屋町 桂 佐ん吉
- 故吉朝さんの6番目の弟子.ちょっと硬かったですね.マクラで噛んでいたのが気の毒でした.ポピュラーな旅ネタですが,笑いをとるというよりも,口さばきの具合を評価するのにいいネタ.もう少し,理屈抜きでネタをくって欲しいなと,好意的感想の17分.
- 牛ほめ 桂吉弥
- 何と言っても,この人には華があります.加えて師匠ゆずりの本格的な語り口.大物になる予感を十分に感じさせられます.このネタは米二さんにつけていただいたとか.お得意のサッカーネタのマクラでしっかり掴んでの29分.
- ちしゃ医者 桂紅雀
- 枝雀さんの最期の弟子,吉弥さんとは同い年になります.たとえて言えば,吉弥:紅雀=吉朝:雀松のような関係か.中身について言えば,医師(赤壁周庵)の表現が今ひとつか.それでも,紅雀さんの個性が伝わって,それはそれでいいのかも.26分.
- 仔猫 桂吉弥
- 師匠の聞き覚えで,今日がネタおろしとか.マクラもなしにいきなりの本題は決意の表れか.しかし,高座での練りが足りないとの印象は否めません.後半,番頭がお鍋を部屋に呼ぶ場面.煙草を吸いつつ,同じ話を繰り返すくだり.入れ込みすぎての疲れのせいか,焦っているように見受けられました.課題の残る27分.
- 中入り
- 親子酒 桂吉弥
- 三席目ということで,適度の疲れが力を抜いてくれたのか,それとも口慣れた話のせいか,安心して笑える一席でした.ただ,吉弥さんがこの親子の年齢設定をどの程度に考えているのか.親父が軽すぎる印象を覚えたのが,ちと不満.ま,解釈の違いはあるでしょうが.23分.
客の入りも質も良く,上々の独演会でした.ただ,アバンティホール,やはり設計が古いのか,近頃の映画館などと比べると,座席が貧相で間隔も狭く,疲れますね.大阪だけではなく,京都にも(例えば新京極あたりにでも)落語の定席復活というわけにはいかないのでしょうか.