●京都・らくご博物館【秋】〜吉朝さんを偲ぶ〜(2006年10月28日,京都国立博物館)
昨晩も夕飯後にダウンしてしまったので,今頃記事を書いています.昨日は4限終了後,手早く片付けて北千里から河原町,京阪に乗り換えて七条で下車,国立博物館の落語会へ行ってきました.この会も数えて11回目,今夜は昨年亡くなられた吉朝さんを偲ぶ会.そもそも「らくご博物館」という会の名前自体も吉朝さんが考えられたもの,その縁で今夜の企画となったとのこと.私は15分くらい前に着きましたが,始まる頃には立ち見も多くて盛況でした.昨年のこの会では,吉朝さんの「風邪うどん」を聴いて,回復ぶりを喜んでいたのですが….ちなみに,次回は1月のセンター試験前夜,しかし躊躇うことなく前売り券をゲットしました.
- 桂吉坊「東の旅〜軽業」
- 吉朝さんの五番目のお弟子さん.25歳とは思えぬ童顔ですが,口さばきがよく,間もとれてなかなかのもの.時間の関係で軽業にはいる前に降りましたが,将来が楽しみな逸材です.10分.
- 桂よね吉「七段目」
- 吉朝さんの3番目のお弟子さん.兄弟子の吉弥さん同様,この人も華がありますね.役者としても通用する風貌と,芝居好きの若旦那のイメージがぴったりと合って,上出来でした.自身でも仰っていましたが,歌舞伎をよくご覧になっているのでしょう.会場に年配者が多いこともあるのでしょうが,歌舞伎を見たことのない若い人にもそれなりに通じる噺です.20分.
- 桂雀々「代書」
- 私が高校生の頃には,「代書屋」といえば三代目春団治と直結するイメージがあったのですが,いまや枝雀一門の代表的な噺.枝雀さんが造形した「松本留五郎」の「セーネンガッピ!」,すっかり雀々風になじんで,例によって寛美さんの物真似も入っての大熱演,大爆笑.28分.
- 桂千朝「一文笛」
- 吉朝さんより(つまり私より)学年は一つ下ですが,同じ時期に内弟子修行をされた方.華やかさはありませんが,雀々さんの後でもマイペースで客を自分の世界に持って行く,やはり力はありますね.米朝作の「新作」として多くの若手が手がけて「古典」となったこの噺,私は近年では今夜の千朝さんが一番聴き応えがあったと思っています.24分.
- 中入り
- ロビーに出ると,出番を終えた雀々さんが例によってCD販売席に座って販促活動.彼の熱意にほだされて,CD一枚購入.サインをしていただきましたが,来週水曜日には彼の独演会に行きます.
- 座談会〜吉朝さんを語る〜
- よね吉さんの司会で米朝・千朝のお二人が想い出を語るというもの.よね吉さんがかなり硬く,米朝師の語りを広げられないのをもどかしく感じておりました.それでも,「これは盗っておけよと言えば,ちゃんと出来たし,その意味が分かる男でした」「それにつけても惜しい」という師の述懐は,重くもあり残念でもあります.13分.
- 桂吉朝「ふぐ鍋」
- 「平成紅梅亭」の高座ですから,1995年11月11日収録のものだとおもわれます.もちろん,発病よりだいぶ前ですから,若くて元気.この人の食べ物の表現は本当に上手と思いますが,先ほどの対談によれば,酒はあまり強くなかったそうですね.26分.
- 関連サイト
- 京都国立博物館
- 米朝事務所
- よね吉亭
- 桂雀々☆落語のひろば!
- 平成紅梅亭ネタ一覧